重圧振り払うよう、声出して腕振った佐々木朗希「満足いかなかった」
普段はマウンド上で表情を崩さない佐々木朗希(千葉ロッテマリーンズ)が、声をあげながら投げていた。大会初登板だったチェコ戦と違い、この日は負ければ即敗退。先発を託された21歳は、重圧を振り払うように懸命に腕を振った。
決して強打者との対戦に心躍るタイプではない。WBCでの登板に「不安な気持ちの方が大きい」とこぼしたのは、代表合宿に合流する1週間前だ。プロとしての野球が「苦しい」と話したこともある。
迎えた大一番。力んだときに見られるシュート回転の直球は散見されたが、160キロ超を連発。速さでねじ伏せていった。
四回、甘く浮いたフォークをとらえられた瞬間、しゃがみ込んだ。均衡を破る3ランを浴び、この回限りで降板。その後はベンチ最前列で手を組み、必死に声援を送った。
「配球は間違っていなかったと思う。投げきれなかったところが満足いかなかった」。試合後、被弾の悔しさを語る声はすっかり枯れていた。
追い上げムード作った代打の山川穂高
八回。2点を勝ち越された直後に、代打の山川穂高(西武)が貴重な犠飛を放った。1死二、三塁で打席へ。相手右腕の速球をとらえた良い当たりだった。今大会、先発出場はここまで1試合にとどまっている。悪くない当たりだったが、左翼手に捕られたことが納得いかなかったのか。追い上げ機運を高める最低限の仕事を果たしたものの、ベンチに戻ってからも悔しそうな表情を浮かべた。
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