台湾の政権、蔡英文総統の訪米を発表 米下院議長とも会談の可能性
台北=石田耕一郎
台湾の蔡英文(ツァイインウェン)政権は21日、蔡総統が今月末から米国を経由する行程で、外交関係を維持する中米のグアテマラとベリーズを訪問すると発表した。総統府は同日の会見で、米国滞在中の予定を「決まれば公表する」とした。政権関係者によると、帰路にカリフォルニア州でマッカーシー下院議長と会談する見通しだ。
蔡氏の訪米は政権1期目の2019年7月以来となる。総統府は今回の歴訪には「民主主義国との交流を深め、世界の安定を維持する狙いがある」とした。
政権関係者によると、マッカーシー氏が早期の訪台の意向を示していたが、台湾側は、中国が昨年8月のペロシ米下院議長(当時)の訪台に猛反発したことや、来年1月の台湾の総統選への影響を考慮。蔡氏が米国に行って会談する形をとることにしたという。
今回の蔡氏の訪米には、総統選への立候補を表明した与党・民進党主席(党首)の頼清徳(ライチントー)副総統による将来の訪米を地ならしする狙いもあるとみられる。
台湾は米国と外交関係が無く、総統の訪米の際には、正式な外交関係がある中米や太平洋地域を中心とした国々への訪問の経由地とするなどの形がとられている。(台北=石田耕一郎)
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