腕はずっと筋肉痛、でも「誰よりも青春」 城東マネジャーの高校生活
佐藤祐生
(22日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 東京・東海大菅生5―2徳島・城東)
ノック開始の合図とともに、城東のマネジャー永野悠菜さんがホームベースに向かうと、球場は大きな拍手に包まれた。
「応援してもらっている」。緊張が少しとけた。
12人の選手と同じユニホームに身を包み、右手にはノックバット。一度も空振りすることなく、慣れた手付きで内野陣にテンポよくノックを打っていった。
「選手たちと同じグラウンドで戦うことができてすごくうれしかった」
ノックを打ち始めて約1年。女子部員が甲子園大会で初めて、ノッカーとしてグラウンドに立った。
もともと運動経験はなく、スポーツは苦手だった。野球部に入ったのは、高校入学後、幼なじみでいまは主将を務める森本凱斗に誘われたのがきっかけだった。
「甲子園に連れていくけん、マネジャーやってくれん?」
中学はオーケストラ部でファゴットを吹いていた。野球好きの父に連れられて甲子園球場に行ったこともあるが、ルールは分からなかった。
全く考えていなかった運動部のマネジャーという選択肢が新鮮に感じ、興味を引かれて入部することにした。
飲み物を準備したり、打撃練…