9歳がつづる物語、プロが演劇に 演出家を圧倒した手書きの物語と詩

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佐藤美千代
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 9歳の少年が書きためた物語がプロの手で演劇の脚本になり、24日から3日間、石川県野々市市で上演される。加賀市の小学3年生、北山桧羽(ひのは)さんの作品を元にした「未来日記」。そのまっすぐな言葉と、書くことへの熱量に向き合いたいという演出家の思いが実現した。

 今日はいい天気でした。地球温暖化もおさまって、何より戦争のない世界になったのです。わたしはもう40才になりました。

 主人公が、子ども時代の日記を思い出して再び書き始めるストーリー「未来日記」の一部だ。この表題作を始め、桧羽さんがつづった三つの物語と10の詩や短文から、演出家の島貴之さん(47)が言葉を選び、組み合わせて脚本を構成。3人の役者が演じる。

 県内を拠点に活動する島さんは一昨年にあった芸術祭で、桧羽さんの父、浩士さん(47)と知り合った。カメラマンの浩士さんは前年末、家族4人で東京から加賀市の山代温泉に移り住み、写真スタジオ併設のカフェを開いていた。

 島さんは店を訪ね、隅に置かれた手製の冊子に目をとめる。「すごい集中力で書かれていて、圧倒された。芝居にさせて、とお願いしました」

 桧羽さんは絵や文を書くこと…

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