コロナで「最後の舞台」が…清田隆之さん「悲しかったと言っていい」

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悩みのるつぼ 相談者(20代女性)

 20代の大学生です。コロナ禍での高校生活で経験した苦しみが今でもフラッシュバックします。私は、文化系の部活で部長を務めていました。強豪校ではなかったものの、部活が大好きで、私の生活の中で最も熱量を注げるものでした。部員や後輩との摩擦、部長としての自分のふがいなさなど、たくさんのことに悩んでもいました。そんな時でも踏ん張ることができたのは最後の舞台を常に目標に掲げていたからでした。

 しかし、新型コロナウイルスがはやり始め、全国一斉休校になりました。当たり前のように毎日顔を合わせていた仲間に会えなくなり、最後の舞台は中止になりました。あまりにショックが大きく当時は涙も出ず、周囲の人たちに相談することもできませんでした。

 あれから約3年が経ち、大学生活は充実しているものの、私の心の中には今でもコロナ禍の部活で感じた虚無感や悲しさ、苦しさが影を落としています。医療従事者の方やコロナによって近しい人を亡くされた方など、大変な経験をされている方は数えきれず、私の悩みなどぜいたくなものだと自覚しています。でも、桜を見るたびに、自分だけ取り残されている感覚がして、つらい記憶がフラッシュバックし苦しくなります。これからまた春を迎えますが、どのような心持ちでいればよいのでしょうか。

回答者 文筆業・清田隆之さん

 仲間に囲まれ、目標となる舞台があり、立ち向かうべき課題にも事欠かない。高校最後の1年間を迎えるにあたり、相談者さんはさぞ大きな責任感とモチベーションで日々の部活に打ち込んでいたであろうことが想像されます。

 しかし、2020年春の一斉休校ですべてが奪われてしまった。その落差はあまりに大きく、かつ無慈悲で、相談者さんの心に深い影を落としたのも無理はありません。

 フラッシュバックとは過去の…

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