「真の終着駅」大阪に多いのなんでなん?官に対抗、関西私鉄の心意気

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照井琢見
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まだまだ勝手に関西遺産

 きわめて個人的なこだわりだが、JRの東京駅や新宿駅を「ターミナル(終点)」と呼ぶことには抵抗がある。ホームが、列車の通り抜けられる形になっているからだ。くし形のホームに行き止まりの線路が並ぶ「頭端式(とうたんしき)」の構造を備えた駅こそ、「終着駅」の名にふさわしい。

 大阪・ミナミの玄関口、南海なんば駅も、そんな「真の終着駅」の一つ。大阪の大動脈・御堂筋(みどうすじ)の南に立ちふさがる駅舎は1932年の完成で、たたずまいに気品が漂う。

 改札を抜けると、ホームは9面、線路は8線。巨大な空間に、普通電車も特急電車も一緒に並んでいる。アナウンスはフーガのごとくあちこちでこだまし、電車が次々に到着しては、折り返し出ていく。朝ラッシュの60分間だけで、その数は40本を超える。

 思えば、阪急大阪梅田駅(10面9線)も、近鉄大阪上本町駅(地上に7面6線)も。大阪の私鉄には、頭端式ホームを備えた巨大な終着駅が多いのだ。なんでなん?

〝鉄学者〟の原武史さんは、関西私鉄の「官への対抗心」からその理由を読み解きます。背景には1万円札にも描かれた、あの人の存在も。記事の最後では、鉄道好きのタレント・斉藤雪乃さんがおすすめの頭端式ホームをご紹介しています。

山手線に寄り添う関東と…

 「関西の私鉄には、官への対…

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