例えるならば、南国で軽やかに流れるラテン音楽のように、彼は明るくたくましかった。
20日。さいたまスーパーアリーナに入ってきたところで、たまたま会った。
柔和な笑みをたたえながら、右手を振っていた。
「元気ですか?」
「ぼちぼちです」
交わした会話はそれだけ。
笑いじわの数が、彼の人生の豊かさを表している。
前日に帰国したばかりの疲れも見せず、彼のおだやかな表情を見て、確信に近いものを僕は抱いた。
きっとやってくれるだろう、と。
今月16日で37歳になった…

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