韓国の人々が不信感を持つ日本の「態度」 新たな関係発展への課題は
聞き手・桜井泉
先日の首脳会談で、戦後最悪とも言われた日韓関係は雪解けを迎えました。しかし、韓国社会には、譲歩を迫られたような徴用工問題の「解決」に不満もくすぶります。そうした思いにも向き合って新しい関係を築いていくために、日本社会は何が問われているのでしょうか。韓国に19年滞在した経験があり現代韓国社会に詳しい、福岡大学准教授の緒方義広さんに聞きました。
徴用工問題を韓国政府傘下の財団による弁済で「解決」しようとするのは、尹錫悦(ユンソンニョル)政権が安全保障や経済など国益や、文在寅(ムンジェイン)前政権との違いを重視した結果です。「国のために被害者は我慢してほしい」ということなのでしょう。国家間の関係からみれば、日韓首脳の対話の復活は評価できる。ただ、徴用工問題の解決、そして日韓関係の新たな発展と言えるのかは疑問です。
加害側の日本企業が賠償も謝罪もせず、日本政府も関わらない。それは被害者たちが求めてきた形ではなく、韓国社会でこの問題はくすぶり続け、不満は消えません。譲歩ばかりで何も得るものはなかったと、尹大統領への批判がすでに出ています。
日本には、いつまで植民地支…