停戦への仲介「限界あるがそれでも」 中国の識者が語る中ロ首脳会談

有料記事

聞き手・高田正幸
[PR]

 ウクライナ侵攻を続けるロシアを20~22日に訪問した中国の習近平(シーチンピン)国家主席は、会談したプーチン大統領に、ウクライナ問題の対話による解決を呼びかけた。プーチン氏も中国側の呼びかけに「歓迎」を示すが、実効性はどこまであるのか。中国人民大学国際関係学院の王義桅教授に中国側の意図を聞いた。

 ウクライナ情勢は軍事支援を続ける米国のために複雑化している。ロシアの弱体化を狙う米国は戦争が続くことを望んでおり、プーチン大統領との対話の意思もない。プーチン氏を退陣に追い込むことで戦争を終わらせたいと考えている。

 中国はウクライナにも多額の投資をしており、一貫して停戦を望んできた。習近平(シーチンピン)国家主席が今回、プーチン氏とウクライナ問題を協議したのも、和平協議を促したいという意思の表れだ。中国は紛争の当事者でないからこそ、調停に立つことができる。イランとサウジアラビアの仲介にも成功しており、国際社会の期待は高い。

 ただ、もちろんサウジ・イラ…

この記事は有料記事です。残り412文字有料会員になると続きをお読みいただけます。
今すぐ登録(1カ月間無料)ログインする

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    江藤名保子
    (学習院大学法学部教授=現代中国政治)
    2023年3月23日15時21分 投稿
    【視点】

    冒頭の「ウクライナ情勢は軍事支援を続ける米国のために複雑化している。」という主張に、中国の立場が浮かび上がります。軍事支援をしているのは米国だけではなく、そもそもウクライナ情勢の根源はロシアの軍事侵攻です。また世界中が停戦を望むところ、中国