停戦への仲介「限界あるがそれでも」 中国の識者が語る中ロ首脳会談
聞き手・高田正幸
ウクライナ侵攻を続けるロシアを20~22日に訪問した中国の習近平(シーチンピン)国家主席は、会談したプーチン大統領に、ウクライナ問題の対話による解決を呼びかけた。プーチン氏も中国側の呼びかけに「歓迎」を示すが、実効性はどこまであるのか。中国人民大学国際関係学院の王義桅教授に中国側の意図を聞いた。
ウクライナ情勢は軍事支援を続ける米国のために複雑化している。ロシアの弱体化を狙う米国は戦争が続くことを望んでおり、プーチン大統領との対話の意思もない。プーチン氏を退陣に追い込むことで戦争を終わらせたいと考えている。
中国はウクライナにも多額の投資をしており、一貫して停戦を望んできた。習近平(シーチンピン)国家主席が今回、プーチン氏とウクライナ問題を協議したのも、和平協議を促したいという意思の表れだ。中国は紛争の当事者でないからこそ、調停に立つことができる。イランとサウジアラビアの仲介にも成功しており、国際社会の期待は高い。
ただ、もちろんサウジ・イラ…
- 【視点】
冒頭の「ウクライナ情勢は軍事支援を続ける米国のために複雑化している。」という主張に、中国の立場が浮かび上がります。軍事支援をしているのは米国だけではなく、そもそもウクライナ情勢の根源はロシアの軍事侵攻です。また世界中が停戦を望むところ、中国
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