「甲子園は投げやすい」強心臓は短距離走で鍛えた 東海大菅生・島袋
(22日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 東京・東海大菅生5―2徳島・城東)
東海大菅生の背番号14、島袋俐輝(りき)の役割は中継ぎだ。想定よりも早く、甲子園のマウンドに立った。
1点を追う三回、2番手で登板。先頭に安打を許したものの、この回初めて相手を0点に抑えた。「自分にはメンタルの強さがある。ここぞという場面で抑えるのは得意っす」
「やんばる」と呼ばれる地域の沖縄県本部(もとぶ)町で育った。小学校の頃から野球とともに練習してきたのが短距離走。父親と一緒にウサイン・ボルトらの走りを動画で研究した。中学2年の県大会は100メートルで優勝。自己ベストは11秒08だ。
「沖縄から出て、勝負してみたい」と、東海大菅生へ進んだ。2017年夏の甲子園で4強入りした戦いぶりを見て、「1点にこだわる野球」に心ひかれた。
学校は東京都西部にあり、冬は練習場に雪が積もるのも珍しくない。「寒さに耐えて練習するのは厳しいけど、自分に勝つという気持ち」。走り込みは、誰にも負けたくない。足腰の鍛錬の成果で、球速が昨夏から15キロ近く上がった。
130キロ台の直球とスプリットで緩急をつけ、打たせて取るのが持ち味だ。公式戦で4イニングも投げたのは初めてだったが、3併殺をとって試合の流れを引き寄せた。100メートル走のスタート前の緊張感で鍛えた強心臓は、憧れの舞台でも生きた。「甲子園は投げやすい。次も一球一球、全力で投げたい」(辻健治)
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