「岸田首相は真の守護者」持ち上げたウクライナ 期待する経済支援
小野甲太郎 杉山正=キーウ 喜田尚
ウクライナで、岸田文雄首相が初めて対面でゼレンスキー大統領と会談した。ロシアを厳しく非難する共同声明には、G7(主要7カ国)議長国としての首相の思いと、支援の輪を広げたいゼレンスキー氏の狙いが込められた。ロシアに接近する中国への、それぞれの警戒感もにじんでいる。
「今回の訪問を通じてG7(主要7カ国)の議長国として法の支配に基づく国際秩序を守るためのリーダーシップを発揮することの決意を新たにした」
21日夜、ウクライナの首都キーウ市内のホテルで、岸田首相は記者団に語った。首相はロシアのウクライナ侵攻をサミットの最大の議題と見定め、5月のG7広島サミット前のウクライナ訪問にこだわっていた。外遊先のインドを秘密裏に発っての電撃訪問は、その意向を実現するための秘策として実行された。
首相の思いはゼレンスキー大統領との共同声明に盛り込まれた。ロシアの侵攻を「違法で不当でいわれのない侵略」と指摘。「可能な限り最も強い言葉で非難した」と明記するなど厳しい言葉を連ね、「ロシアは、直ちに敵対行為を停止し、ウクライナ全土から全ての軍および装備を即時かつ無条件に撤退させなければならない」と強調した。
共同声明では、ロシアによる…