「難民貴族」発言の理事長が退任 ウクライナ避難学生と料金トラブル
前橋市で日本語学校を運営する学校法人「ニッポンアカデミー」は、ウクライナから避難してきた学生との間の学費トラブルに関連して、理事長の清水澄氏が退任したと発表した。清水氏は手厚い支援を受ける避難民に対して「難民貴族」などとも発言しており、事態を重く見た群馬県は、同法人に対して行政指導をしている。
退任は20日、公式サイトで公表された。同法人は行政指導を受けて18日に理事会を開き、清水氏が理事長を退任し、長女の大野麻由子氏が新理事長に就任する人事を決めたという。交代は18日付。「ガバナンス強化に向け改善を図るとともに信頼回復に努める」としている。
県は、学生側が「半年間無料だと言われた」、法人側が「自立できるまでという意味だった」と主張が食い違うことや、清水氏の発言を「不適切」とし、同法人に再発防止を求めて15日に行政指導して運営改善計画の提出を求めている。理事会後に退任について連絡があったといい、県の担当者は「今後の改善を注視していく」と話した。
22日に前橋市内で会見した清水氏は「法人として行政指導を受けて、ほかの理事から退任を提案された」と理事長交代の理由を説明。報道陣からの「発言の責任をとったのか」という問いには「全く違う」と否定した。また「(ウクライナから避難した学生らを支援する)県の指針は過剰支援だ」などと持論を繰り返した。(川村さくら、杉浦達朗)
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