公示地価、住宅地26年ぶり上昇 野沢温泉村で外国人の取引増
国土交通省が22日に発表した公示地価(1月1日時点)によると、下落が続いていた長野県内の住宅地の平均変動率が26年ぶりに上昇に転じた。スキー場がある野沢温泉村が急上昇したほか、軽井沢町と白馬村も上昇傾向を維持した。リモートワーク需要の高まりや新型コロナの終息を見据えた投資が後押ししているとみられるという。
住宅地は継続して調査している210地点の平均変動率がプラス0・1%で、マイナス0・2%だった前年より0・3ポイント上昇した。1998年以降、連続していた下落から一転した。
特徴的な動きを見せたのは、前年のマイナス0・6%からプラス4・1%に急上昇した野沢温泉村。新型コロナ下でほとんど見られなかった外国人による取引が増加。温泉街の中心地やスキー場のゴンドラリフト付近でのやりとりが活発で別荘、スノーボードショップ、社宅向けなど様々な用途の取引があるという。
ほかにも長野市(48地点)が4年ぶり、佐久市(4地点)が25年ぶりに上昇。駅周辺の物件が払底気味の軽井沢町(6地点)は前年並みのプラス7・5%、別荘地の白馬村(2地点)も上昇幅はやや落ち着いたもののプラス6・8%で、こうした地価上昇が好調な地域が全体の平均を押し上げた。白馬村は物件の高騰で村民の流出が始まるほどだという。
一方で、2019年に東日本台風(台風19号)の被害を受けた長野市内の赤沼、豊野地区は下落傾向が続く。
商業地107地点の平均変動率はマイナス0・5%と31年連続の下落だったが、下落の幅はマイナス0・9%だった前年より0・4ポイント縮小した。幹線道路沿いで上昇が見られるという。工業地は8地点すべてで上昇し、平均変動率は前年比1ポイント増のプラス1・4%。住宅地や商業地、工業地を合わせた全用途の平均は同0・3ポイント増のマイナス0・1%だった。
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