ロシアに連れ去られた子供17人を救出 半年ぶりに親と再会

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キーウ=杉山正
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 ロシアの愛国歌を強制された――。

 ロシア軍が占領しているウクライナの地域から多くの子供が連れ去られている事件をめぐり、17人の子供が慈善団体「セーブ・ウクライナ」の協力で救出され、22日、キーウ市内に到着した。事件をめぐっては、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)が17日、子供を連れ去った容疑でロシアのプーチン大統領に逮捕状を発行している。

 ミニバスから降り立ったダイアナさん(14)とニキータ君(10)を、父親のデニス・ザポロジュチェンコさんが泣き出しそうな顔で抱きしめた。デニスさんは「10月から子供に会えなかった。生きて無事に帰ってきてくれてうれしい」と言った。

 デニスさん一家は、ウクライナ南部ヘルソン市に住んでいた。同市がウクライナ軍に解放される1カ月前の昨年10月、1週間の予定で学校の教師とともに子供たちがクリミア半島に行ったあと、子供たちの消息が途絶えた。クリミア半島は2014年からロシアの占領下にある。

 ダイアナさんら子供たちは、半年間、クリミア半島西部のエフパトリアの施設に入れられたという。施設では1部屋に2~5人の子供が寝泊まりし、学校もあった。子供たちは全員がウクライナ人で、1日3時限の授業はロシアの教育だった。「ウクライナに帰ると考えていたから、勉強はしたくなかった」とダイアナさんは振り返る。

 「前へ、ロシア」という愛国…

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