前途多難な日本のロケット開発 宇宙産業の国際競争で生き残れるか
神里達博の「月刊安心新聞+」
かみさと・たつひろ
1967年生まれ。千葉大学大学院教授。本社客員論説委員。専門は科学史、科学技術社会論。著書に「リスクの正体」など
今月、「H3」初号機の打ち上げが失敗した。これは宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が共同で開発した液体燃料ロケットである。元々2020年度に打ち上げを予定していたのだが、発射延期を繰り返した後の、手痛い躓(つまず)きだ。
実は昨年10月にJAXAは、イプシロンロケット6号機という固体燃料ロケットの打ち上げにも失敗している。一体、何が起きているのか。
今回は、最近の宇宙産業の動…