NY株、530ドル安 金融不安でもFRBが利上げ継続、懸念広がる
22日のニューヨーク株式市場は、主要企業でつくるダウ工業株平均が530ドル値下がりした。相次ぐ米銀の経営破綻(はたん)で金融不安がくすぶる中、米連邦準備制度理事会(FRB)がさらなる利上げに踏み切ったことで、今後の景気減速への懸念が広がった。
ダウの終値は、前日より530・49ドル(1・63%)安い3万2030・11ドル。特に銀行株が大きく下落した。
シリコンバレーバンク(SVB)などの破綻をきっかけに、地方銀行の経営不安が高まっている。激しい物価高(インフレ)を抑えるため、FRBが急ピッチで利上げしたことも銀行の経営不安を招いた一因とされる。
この日の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが利上げを止めるとの見方も一部で出ていた。
しかし、FRBはインフレ抑制を優先。同日の会合では、前回に続き0・25%幅の利上げを決めた。
FRBは声明で、銀行の経営破綻を念頭に「家計や企業の信用状況が厳しくなり、経済活動や雇用、インフレに影響を及ぼしそうだ」と景気への影響を指摘した。
今後、さらに銀行経営の不安が高まったり、貸し出しが減ったりすれば、景気が落ち込むとの見方から株式が売られた。
23日の東京株式市場も米国の流れを引き継ぎ、日経平均株価は前日終値から233円64銭安い2万7232円97銭で取引を始めた。その後は下げ幅を縮小して推移している。銀行株の下落が目立っている。(ニューヨーク=真海喬生)
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- 【解説】
全世界で金融不安が広がっているにもかかわらず、FRBが利上げを継続しているのは、利上げをやめてしまうと、インフレが過度に進んでしまうリスクがあるからです。ここまでインフレに神経質になっている理由は、説明するまでもなく、各国が行ってきた大規模