第7回Hump Back林萌々子さん「女性バンドがアップデートする」

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聞き手・角拓哉
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 北海道小樽市を拠点に活動するミュージシャン、花男(はなお)さん(43)の生き方を紹介する連載「花男 ドッコイ歌い続ける」。バンド・Hump Back(ハンプバック)のボーカル・ギター、林萌々子さん(29)は多感な10代に太陽族の歌に出会った。今では弾き語りで共演する仲でもある。

 林さんが花男さんの歌の魅力に触れ、自身の音楽との向き合い方や今後の活動を語った。

 ――花男さんと知り合ったきっかけは。

 「私が高校生の時、花男さんがボーカルを担当するバンド『太陽族』を知りました。好きになって、地元のライブハウスに来る時は友だちを誘って見に行きました。活動休止前の最後のライブが2016年2月に東京・渋谷であったんですけど、それも見に行きました。しばらくして、大阪のアメリカ村でバーをやっている友人が、『花男さんが弾き語りライブで来るよ。オープニングアクトを探しているから、よかったら、ももちゃんどう?』と誘ってくれた。そこで初めて一緒に演奏させてもらった。これまで2回ぐらい弾き語りでご一緒させてもらっていますね」

 ――花男さんの印象は。

 「人としての印象は、すげえ優しいなあっていうのがありますね。バンドが活動休止し、弾き語りするようになってからは、一つ『域』が変わった感じも受けている。休止してから、イチからやるぞっていう、1周回って若手みたいな気持ちを聞いて、かっこいい姿勢だなって思いました」

 ――太陽族、花男さんの曲の魅力は。

 「太陽族を聴き始めた高校時代は年齢としても時期としても、すごい繊細で不安定な時期でした。そんな時に歌を聴いて、若者に寄り添ってくれる、こんなに気持ちわかってくれる大人おるんやと思って救われた気がした。自分では言葉にうまくできない、もやもやとかイライラを、周りに歌ってくれているような気持ちでしたね。太陽族の歌詞って難しい言葉じゃないんだけど、花男さんの声で歌うからオリジナルになるんだと思います」

 「いまの花男さんは年を重ね、曲に年季が入ってきたという印象がある。私も年取ってきたからってのもあるんですけど、いまの方が好きだなあ。たとえば『裸電球』という曲。きらびやかな太陽族の昔の情景とかが思い浮かびつつ、それを経て、ちゃんといまの曲になっている。花男さんの歌は以前より生々しさが増していて、人となりがさらに見えるようになった感じがします」

 ――林さん自身、どんな思いで音楽と向き合ってきたのですか。

 「私は、大学生時代とか20…

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