【そもそも解説】東芝はなぜ買収されるの?中心の「国内連合」って?
東芝が、国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)からの買収提案を受け入れる方針を決めました。日本の企業や銀行が資金を出す「国内連合」が買収し、非上場化する方向です。なぜ、日本の製造業を代表する企業の一つである東芝が、非上場化をめざすのでしょうか。Q&Aで解説します。
Q 東芝が買収されるんだって?
A JIPを中心に、オリックスや半導体大手のローム、中部電力などの国内企業が計1兆円規模を出資する。さらに、三井住友銀行、みずほ銀行、三井住友信託銀行などが1兆2千億円を貸して東芝を買収する。銀行団は運転資金として2千億円の融資枠も設ける予定だ。株式公開買い付け(TOB)が成立すれば、非上場化される。
東芝は昨年4月から非上場化を含めた経営再建案を募り、JIPのほか、海外の投資ファンドなどが手を挙げていた。東芝は昨秋までにJIPに優先的な交渉権を与え、協議を重ねてきた。
Q JIPってどんな投資ファンドなの?
A みずほ証券やNTTデータが2002年に、企業の事業再編を支援するために立ち上げた。大企業から事業を切り出す「カーブアウト」に強く、ソニーのパソコン事業だった「VAIO(バイオ)」、オリンパスのカメラ事業の再編などに関わったことでも知られる。
JIPは当初、事実上の官製ファンドの産業革新投資機構(JIC)と組んで東芝の買収を目指していた。しかし、買収後の戦略について意見が合わずに連合を解消していた。
大株主に名を連ねる海外投資ファンド
Q なぜ買収案を受け入れるの?
A 経営の混乱を解消するた…