異例の物価高で、働き手1人あたりの「実質賃金」が減り、家計は厳しさを増している。だが実は、実質賃金は27年前をピークに、物価が下がるデフレの中でも減り続けてきた。背景には、低賃金の非正社員が増えたことに加え、識者は企業が正社員のボーナスを減らした影響があると指摘する。
実質賃金は、働き手が受け取る「名目賃金」に物価の影響を加味して、実際にどれだけのモノやサービスを買えるかといった購買力を示すものだ。
厚生労働省の毎月勤労統計調査で、実質賃金の指数(2020年=100)はピークだった1996年の116・5から下落傾向が続き、22年は99・6だった。
基本給は増えたがボーナスは減った
当初の下落の要因は、名目賃…
- 【視点】
記事にあるとおり、実質賃金のピークは1996年だが、名目賃金のピークは1997年。2020年=100とする指数でみると、112.9である。 直近2022年は102.3であるから、それより10.6ポイントも高い。 「デフレが悪」と