城下に広がる雲海の花々 「さくら名所100選」の人知れぬ苦労とは

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礒部修作
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 「日本3大平山城」と称される岡山県津山市の津山城。城跡(鶴山〈かくざん〉公園)は桜の名所で知られ、今月末にはピンク色の花が巨大な石垣を雲海のように覆う。国の文化財で築城400年をこえる津山城跡と、樹齢100年超の桜。双方の保護は両立が難しい課題だが、苦心しながら維持管理が続けられている。(礒部修作)

 公園を管理している市観光協会と市文化課によると、津山城跡は地上から約45メートルの高さに及ぶ3層の石垣に囲まれている。約10万平方メートルの敷地には、桜が約1千本。「日本さくら名所100選」に県内でただ一つ選ばれている。

 その魅力は桜を見る角度だ。桜は下から見上げるのが普通だが、公園の桜守を務める有木康二さん(33)は「津山城の桜は石垣から見下ろせて、雲海のように見えるのが特長。しかも地面が見えないほど花が密集している」と胸を張る。

 密集の理由は木の間隔にある。公園の桜の大半はソメイヨシノで、通常は約10メートル間隔で植えられるが、公園では約5メートル間隔と短い。

 津山城の桜の歴史は明治時代

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