「冬のソナタ」から20年 韓国を「本物の外国」にした若者の変化
韓流ブームの火付け役となった「冬のソナタ」が日本で放送されてから、4月で20年。かつて中高年の女性で連日あふれかえった東京・新大久保の「コリアンタウン」はいま、10、20代の若者たちで埋め尽くされている。若者を引きつけているものは何か。その目に韓国はどう映っているのか。(伊藤恵里奈、江戸川夏樹、野田枝里子)
東京都新宿区のJR新大久保駅前。2月の平日、夕方になると、街は若者であふれかえっていた。制服姿の高校生や赤いリップが光る女子大学生が、友人と待ち合わせ、コリアンタウンへ向かう。
「キンパダ、キンパダ」。制服姿の女子高校生2人組が韓国語を言い合いながら、カフェでくつろいでいた。韓国の若者言葉で「頭にくる」の意味だ。
都内の高校に通う。中学時代に男性グループ「BTS」のファンとなり、新大久保へは月2回は訪れる。SNSやドラマで気になった言葉は積極的に使う。「韓国人の彼氏がほしい。だから韓国語もぺらぺらになりたい」
ハングルで書かれた看板。店から漂う焼き肉の匂い。化粧品店の前にあるアイドルの立て看板。新大久保には、異国情緒が漂う。
女子高校生3人は、韓国風のホットドッグ「ハットグ」をほおばっていた。「遊びに行くのは、渋谷と半々ぐらいかな。日韓の歴史問題も聞くけれど、それと私が韓国を好きなのは、全く別の話」
交差点で、街を見渡す女性がいた。傍らにはキャリーバッグ。高校2年生。創立記念日の休日を使い、石川県から1人でやってきた。韓国ドラマの世界に浸ることができたと喜ぶ。
20年前との違い――。それは年齢層だ。
2012年 新大久保から人が消えた
新大久保商店街振興組合の武…