宗教をどう教える? 仏教・キリスト教系の私立校、「生きる力」育む

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岡田匠
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 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の問題で、宗教教育への関心が高まっている。憲法教育基本法で特定の宗教を公教育で教えることはできないが、私立の学校では可能だ。京都の仏教系、東京のキリスト教系の進学校では教えや理念を通し、生きる力や他者を認める心を育んでいる。(岡田匠)

 毎月21日は真言宗の宗祖・弘法大師空海の月命日だ。東寺真言宗総本山で、世界遺産の京都・東寺の境内にある洛南高校・付属中学では「御影供(みえく)」と呼ばれる法会がある。校長の話を聞いて作文を書き、自分と向き合う。2月に訪ねた。

 午前10時前、子どもを守る本尊の地蔵菩薩(ぼさつ)像や、世界を表す両部曼荼羅(まんだら)が講堂の壇上にまつられていた。約300人の中学3年生が手に念珠を持ち、一礼して講堂に入った。教室を出たときから一切無言だ。

 生徒会の代表が祭壇に花や茶…

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    塚田穂高
    (上越教育大学大学院准教授=宗教社会学)
    2023年3月31日21時2分 投稿
    【視点】

    ・・・「宗教」教育はどこで行われるのか? 仏教系・キリスト教系の宗教系私立学校2校における、宗教教育の現状をつぶさに追った記事で興味深い。幼・保・小・中・高・大のいずれかで宗教系私立に通った経験のある人びとにとっては共感を持って思い出され