岸田文雄首相によるウクライナへの電撃訪問はどうやって実現したのか。秘密保持を徹底し、安全を確保しながら、インドを発ち、ポーランド経由でキーウへ。政権幹部らへの取材を通して、その舞台裏を追った。
雷雨が地面をたたきつけていた。ニューデリー中心部にほど近いタージパレスホテル。20日午後8時(日本時間同日午後11時半)ごろ、ホテルに複数ある裏口の一つから、岸田首相や政府高官ら数人が乗ったバスが走り出した。綿密に、かつ、秘密裏に準備されたウクライナ訪問の始まりだった。
その直後、車中に緊張が走った。バスの車窓から、傘を片手に辺りを見回す3人ほどの記者らしき姿が見えた。記者に見つかったら、計画が水泡に帰すことになりかねない。しかし、首相が車中にいると気づいた様子はなかった。
バスはパラム空軍基地に着いた。首相はチャーター機に乗り込んだ。チャーター機はいつ出発したのか。
列車に乗車、目に入った報道機関の姿
首相が日本到着まで乗ったチ…
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら