ごみ袋に託された「メッセージ」を読み解けば 自治体のあの手この手
「燃やすしかないごみ」と「埋立(うめた)てるしかないごみ」。京都府亀岡市が4月から、可燃ごみと不燃ごみの呼び方をこう変える。ごみの削減を目指してのことだ。あの手この手でごみを減らそうとしている自治体の取り組みについて、廃棄物管理に詳しい北海道大学大学院の石井一英教授に話を聞いた。
――亀岡市のネーミング、どう思われますか。
なかなかセンセーショナルですよね。
可燃ごみは自治体によって「燃えるごみ」「燃やせるごみ」「可燃ごみ」などいろんな呼び方があります。
「燃えるごみ」というのは自ら燃えるイメージですよね。
「燃やせるごみ」というのは、1980年くらいのまだ焼却炉の性能が今ほど良くなかったとき、プラスチックを不燃ごみにしていた自治体で、「プラを除いたごみ」という意味合いで使っていたようです。
どう呼ぶかで印象が変わります。自治体が市民に向かってメッセージを伝えるには、呼び方を変えるのはいい方法だと思いますね。
――ごみの種類によって、指定ごみ袋の値段を変えている自治体もあります。福岡県柳川市は、2021年から可燃ごみを「燃やすしかないごみ」に名称を変えると同時に、大袋(30リットル)を1枚20円から40円に引き上げ、プラスチック類やペットボトルの大袋(50リットル)は10円にしました。その効果もあり、可燃ごみが減り、リサイクル率が上がったそうです。
最終処理場(埋め立て処分場)が逼迫(ひっぱく)するなど、自治体によってそれぞれ事情があるので、袋の呼び名や金額、大きさなどを工夫しながら本当に苦労しているんだと思います。
透明・半透明であればどのような袋でも収集する自治体もありますが、ごみ袋を指定して有料化したり、ごみを出す袋に貼るための有料のシールを作ったりする自治体は増えていますね。
記事の後半では、石井教授の提案する「極論」を紹介します。
環境省の調査によると、1998年度、ごみ処理手数料を有料化していた自治体は、全自治体のうち45・9%でした。2020年度は65・8%に増えています(いずれも粗大ごみは除く)。
私が住んでいる札幌市では…