混乱東芝、捨てた上場 モノ言う株主と対立の末、「現体制維持」選択

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杉山歩 伊沢健司 土居新平
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 東芝が、日本産業パートナーズ(JIP)からの買収提案を受け入れた。戦後74年間守ってきた上場会社の地位を捨てて非上場化する背景には、モノ言う株主とされる投資ファンド(アクティビスト)との対立があった。株主を国内勢に絞って経営の意思決定をスムーズにする狙いだが、不安要素もまだ残っている。(杉山歩、伊沢健司、土居新平)

 企業にとって、株式上場は情報公開や財務の健全性が求められる一方、知名度や信用が高まり、お金や人を集めやすくなる大きな利点がある。

 それでも、買収・非上場化を受け入れる理由について、東芝は23日に公表した資料で、会社の現状を「異なる考えを持つ主要株主が複数存在している」と説明し、「度重なる経営陣の交代や大きな経営方針の変更がおこなわれるなど、当社の経営の安定性に対する懸念や、社会的信用に対する不安にも影響が及びかねない状況になっている」とした。

海外ファンドに握られた株 社内は混乱

 念頭にあるのは、モノ言う株主との関係だ。

 東芝の経営が苦しくなったの…

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