原告側「全ての被害者救える」 強制不妊の救済広げる判断 大阪高裁
森下裕介 松浦祥子
旧優生保護法(1948~96年、旧法)の下で不妊手術を強いられたのは憲法違反だとして、聴覚障害者の夫妻ら兵庫県の計5人が国に計1億6500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が23日、大阪高裁であった。中垣内健治裁判長は、請求を棄却した一審判決を変更し、国に計4950万円の賠償を命じた。
同種訴訟は、不法行為から20年が過ぎると賠償請求権が消える「除斥期間」の適用が焦点。高裁は、①国が旧法を違憲と認める②旧法を違憲とする司法判断が最高裁で確定する――のいずれか早い時期から6カ月が過ぎるまでは除斥期間を適用しないとする初めての解釈を示し、救済範囲を広げる判断をした。
全国11の地裁・支部で起こされた同種訴訟で、高裁判決は4件目。いずれも国に賠償を命じているが、除斥期間の適用を制限する期間については、「同種訴訟の提起を知ってから6カ月以内」「一時金支給法の請求期間の2024年まで」などと判断していた。
大阪高裁は「(旧法は)特定…