全力でプレーする姿、感情を爆発させて喜ぶ姿が日本チームの空気を変えた。ラーズ・ヌートバー(25)。野球の日本代表「侍ジャパン」で初めての日系大リーガーだ。
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の全試合に1番・中堅手で先発出場し、3大会ぶりの優勝に貢献した。
大会開幕の約1週間前、侍ジャパンに合流したときのこと。選手たちは、ヌートバーのミドルネーム「達治」にちなみ、「たっちゃん」と印字されたTシャツを着て歓迎した。
ヌートバーは一瞬で心を奪われた。「もちろん緊張した。言語の壁もあるし。でも、気が楽になった」
大会が始まれば、自身の「ペッパーミル・パフォーマンス」を大谷翔平(エンゼルス)らがそろってまねた。日本選手から積極的に英語で話しかけられたヌートバーは、日本語を覚えようと努力した。
この短期間で選手たちは互いを思いやり、理解を深めていた。
準決勝に向けて渡米後、チームメートと食事に出かけた際には「大会が終わったら会えなくなるから、さびしくなるね」と伝えたという。仲間を「きょうだい」と呼び、「今後も忘れないと思う」と明かした。
彼らを見て思い出したのは、近鉄とオリックスで40年間、球団通訳を務めた藤田義隆さんの話だ。
近鉄時代に8年間在籍したタ…
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