携帯チャットとサークルが心の支え コロナ禍、恐怖と孤独の中で

有料記事新型コロナウイルス

遠田寛生
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 大切にしている言葉がある。

 「一人だけど、ともにいる」

 2020年3月13日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、トランプ大統領(当時)が国家非常事態を宣言した。レバノン出身のアマリ・ムダラリさんはあわててニューヨークを離れ、4時間ほど運転してワシントンにある自宅に帰った。

 家族はレバノンだ。見えないウイルスが怖く誰とも会えないから家に閉じこもった。独り暮らしにはこたえた。これほどの孤独を感じたことはなかった。

 支えはニューヨークで知り合ったランニングサークルの仲間だった。コロナ前は毎週水曜日の午前6時半に集まり、セントラルパーク周辺を走った。雪が降っても強風が吹いても「言い訳はなし」をモットーに。

 コロナで仲間は散り散りになった。ニューヨークに残る者もいれば、ほかの地域に行く人もいた。ただ、二つだけ約束していた。

 一人でも走ること、そしてランニング中の写真をグループチャットに投稿すること。

 ムダラリさんは毎日走って…

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