日常と終末が足りない「シン・仮面ライダー」(小原篤のアニマゲ丼)
庵野秀明監督の「シン・仮面ライダー」、イマイチでした。なぜ物足りないか? 端的に言えば「日常」と「終末」がなく均一だから。
異物感と驚き満載の「シン・ゴジラ」から「シン・ウルトラマン」(庵野さんは監督でなく企画・脚本・総監修)で「ちょっと普通になったな」と思ったので、「シンカメ」はもっと普通になるだろうと予測してはいましたが、これまで庵野さん以外の人たちが作ったいろいろな「懐かし特撮リメイク」の中にうずまってしまう感じ。唯一「浜辺美波はいい!」だけ突出してますが。あ、ネタバレありです。
冒頭、2人乗りバイクに後方から大型ダンプ2台が肉薄するチェース。吹っ飛ぶバイク、高い高い崖の上に現れる仮面ライダー! 戦闘員らの頭をたたき割る血しぶきアクション! 巨大ダムを舞台に必殺のライダーキック! 出だしは快調です。
秘密組織SHOCKERの一員であるルリ子(浜辺美波)は父の緑川博士(塚本晋也)と共に組織を裏切り、バッタオーグ(バッタと合成したサイボーグ)に改造された本郷猛(池松壮亮)を導いて基地を脱走。クモオーグに殺された緑川博士から「ルリ子を頼む」と言われた本郷は「仮面ライダー」を名乗り、ルリ子を補佐してオーグたちと戦い、SHOCKERの恐るべき計画を止めようとする。
設定は良いんです。クールで…