健康への影響が話題の「超加工食品」、日本人の摂取量が明らかに

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大村美香
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 「超加工食品」を知っていますか? ブラジルの研究者が提唱した概念で、複数の食材を工業的に配合して製造された、加工の程度が非常に高い食品を指します。ハムやソーセージ、清涼飲料水、即席麺などが典型的とされます。

 近年、諸外国で研究が増加。超加工食品は脂質やナトリウムを多く含む一方で、たんぱく質や食物繊維ビタミン、ミネラル類の含有量が少ないため、多く食べると食事の質を低下させると報告されています。大量摂取で肥満、循環器・脳血管疾患、うつなど健康上の悪影響を高めると指摘する研究もあります。しかし日本人の摂取状況に関する研究はこれまでほとんどありませんでした。

 東京大学大学院医学系研究科社会予防疫学分野の篠崎奈々客員研究員、村上健太郎助教らのグループは、日本人の摂取量を調査し、その結果を3月に発表しました。全国規模の食事調査に基づき日本人の摂取状況を明らかにした初めての研究だとしています。

 32都道府県に住む成人2742人の8日間の食事記録データをもとに、食べた食品を加工レベル別に分類。日本人が1日に取る総エネルギー量に対し超加工食品が占める割合は、少なく見積もって27・9%、多く見積もると42・4%と推計しました。

 少なく見積もる場合と多く見積もる場合の違いは、家の外で食べた食事の扱いにあります。少なく見積もる場合は、料理を個々の材料に分けて、その食材をそれぞれ加工レベル別に分類。多く見積もる場合は、そうした区分けをせずにすべて超加工食品に分類しました。

 年齢別でみると、60~79歳の群に比べて18~39歳の群の方が摂取量が多いことがわかりました。また、喫煙者に摂取量が多い傾向がみられ、過去に喫煙していた人やまったく喫煙したことがない人に比べて高い割合でした。

 若者の方が摂取量が多い理由…

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大村美香
大村美香(おおむら・みか)朝日新聞記者
1991年4月朝日新聞社に入り、盛岡、千葉総局を経て96年4月に東京本社学芸部(家庭面担当、現在の生活面にあたる)。組織変更で所属部の名称がその後何回か変わるが、主に食の分野を取材。10年4月から16年4月まで編集委員(食・農担当)。共著に「あした何を食べますか?」(03年・朝日新聞社刊)