相次ぐ不祥事に揺れる九州電力 不正閲覧にカルテル疑惑も
加藤裕則
九州電力で不祥事が相次いでいる。不正な手段でライバルにあたる新電力の顧客情報などを閲覧していた問題が発覚。競争を妨げるカルテルをほかの大手電力と結んでいた疑いもある。信頼をどう取り戻すのか。電力会社のモラルが問われている。
「今回の事態を大変、重く受け止めております。みなさまには深くおわび申し上げます。申し訳ございません」
2月3日の記者会見で九電取締役の栗山嘉文・営業本部長は頭を下げた。この日、送配電事業を担う子会社「九州電力送配電」と契約する新電力の顧客情報約1万4千件を、九電社員らが不正に閲覧していたと公表した。閲覧した社員らは2020年以降で335人。4割の人には違法性の認識があったという。
料金の回収の目的で契約者の名前や住所、設備を確認するなどしていたという。新たな顧客の獲得など営業に使ったケースはないというが、栗山氏は「(社員らの)意識が甘かった。コンプライアンス(法令や規範の順守)教育や指導が足りなかった。声を上げる者がいなかったことも問題だ」と再発防止を誓った。
2月21日には、経済産業省…