トヨタ、若手の採用競争力低下に危機感 春闘は「働きがい」に重点

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江口英佑
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 トヨタ自動車は今春闘で、賃上げと一時金の要求に真っ先に満額回答で応じた。その後、労使が対話の中心に据えたのは働きがいの向上や、挑戦できる職場づくりに向けた新人事制度だ。若手の離職や多様化する働き方にどう対応していくのか、模索が続く。

 経営側は、4月1日付で社長に就く佐藤恒治氏ら新体制が交渉に臨んだ。

 異例の物価高の影響を踏まえ、2月にあった初回の労使協議で、賃上げと一時金の要求に満額回答で応じる意向を示した。その後、トヨタ系の大手部品メーカーでもデンソー豊田自動織機をはじめ満額回答が相次いだ。

 トヨタ自動車グループの労働組合でつくる全トヨタ労働組合連合会の吉清一博・事務局長は、正式回答があった3月15日の記者会見で、中小メーカーへの波及について「ばらつきはあるが、総じて例年にない高い水準の賃金でお応え頂いている」と語った。

 トヨタは、賃上げをめぐる要求には早々と満額回答することで、その後の協議では働きがいの向上をめぐる議論に時間を充てようとした。

年功序列の評価制度を一新

 15日に記者会見した佐藤氏…

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