沖縄県うるま市議選で当選無効、次点と逆転 「イでイ」票→伊礼氏に

渡辺丘
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 沖縄県選挙管理委員会は24日、昨年10月の沖縄県うるま市議選の得票に誤りが見つかったとして、最下位当選者の当選を無効と裁決したことを明らかにした。同日から30日以内に高裁に提訴されなければ、当選者が次点の候補者と入れ替わる異例の展開となる。

 昨年10月の市議選では、天願浩也氏(31)が876・197票で最下位当選し、伊礼正氏(69)が874票で次点だった。伊礼氏が市選管に異議を申し立てたが、棄却されたため、12月に県選管に申し立てた。

 県選管の裁決書によると、2月の点検の結果、有効票の中で他の候補者の票に混入していた「いれい」と横書きの「いれい」の2票、無効票の中で「いてい」と「イでイ」の2票の計4票を伊礼氏の得票と認めた。この結果、伊礼氏が878票、天願氏が876・197票となり、天願氏の当選は無効と判断した。裁決は3月17日付。

 朝日新聞の取材に対し、伊礼氏は「『いれい』とはっきり読める2票が他の候補者の票に入っていた。立会人も10人前後おり、1票ずつ確認すれば、見逃すはずはない。開票は市民が託した思いが出てくる。最終確認をしっかりしてほしかった」と話した。

 天願氏は昨年12月、市議の活動に専念するため、米軍基地の従業員を退職した。「(裁決は)驚いている。弁護士と対応を検討している」と語った。

 うるま市選管の担当者は「選挙は公正に開票しなければならず、裁決の結果を重く受けとめる。関係者の方々にご迷惑をおかけし、おわび申し上げたい」としている。(渡辺丘)

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