氷見の速球派エース青野、わけあって頼った変化球 「夏は必ず勝つ」

笠井正基
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(24日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 山梨学院4―1富山・氷見)

 氷見の青野拓海(たくみ)投手は一回2死、自らの二ゴロが悪送球を誘って出塁し、それを足場に本塁へ。関東大会王者の山梨学院から奪った先取点だった。

 一回は三者凡退と上々だったが、二回に3安打と犠打で逆転された。打たれたのは全て変化球。自慢の速球ではなく、変化球中心となったのはわけがある。実は5日前から腰を痛めていた。頼りにした「変化球も入らず、ダメでした」。それでも、投球フォームを修正しながら味方を信じた。

 七回1死から右中間深くに打たれた当たりは、中堅手の松井康祐が好捕してくれた。「捕ってくれるので安心していられる」

 中学まで捕手だった。高校から投手になり、恵まれた体をいかして最速143キロを誇るまでに成長した。「人一倍負けず嫌いでいつも高い目標をもって芯がある」(主将の大沢祥吾)

 21世紀枠で選ばれ、選手17人で挑んだ春。春夏通じて3回目の甲子園で初勝利はならなかったものの、計7安打は相手の6本を上回り、一塁アルプス席からは大声援が送られた。8回4失点で、打ってはチームで唯一、2安打を放った。「普段より楽しむことができた。もうちょっとリラックスできたら。夏は必ず戻って勝ちたい」(笠井正基)

     ◇

 ●村井実監督(氷) 「(打線が)全くつながらなかった。難しい打球判断もあった。技術的なところが足りなかった」

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