28歳女性、がんのステージ4 結婚を決断、ありのままが映画に
ステージ4のがんを抱える20代の女性の日々を撮影した映画「ケアを紡いで」が4月から上映される。「暮らしや葛藤をありのままに」と本人が映像での記録を望み、介護や夜間保育の現場などを作品にしてきた大宮浩一監督(64)が応えた。支援が足りない若年患者の困難を伝え、ケアについても問いかける作品だ。
埼玉県三郷市に住む鈴木ゆずなさんは、2020年2月、27歳で進行した舌がんが分かり、看護師を休職して手術を受けた。抗がん剤治療を前に、将来の出産を考えて既婚が条件である受精卵の凍結保存を希望し、交際していた公務員の翔太さん(31)に自分の気持ちを伝えた。
ゆずなさんは「体がどうなるか分からない。無理して入籍しなくていいからね」と伝え、義理の姉に頼んで本音も聞き出してもらった。翔太さんは「子どもができないかもしれないし、大変なことは想像つかないぐらいいっぱいあると思うけど、どうあっても一緒にいたい、結婚したい」と答えたという。
その後、2人は「やりたいことをやろう」と決め、ゆずなさんはリストを作った。式を挙げ、富士山に登り、旅もした。
若いがん患者には比較的サポートが乏しく、お金や居場所といった特有の問題があります。映画はこうした実情についても伝えていきます。
生活費切り詰め、居場所をさがし
ただ介護保険は40歳以上で…