歌舞伎俳優6人が語る、コロナ禍で「変わったこと」「変えないこと」

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増田愛子
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 新型コロナウイルスの世界的な流行が始まってから約3年。この間、公演中止など大きな影響を受けてきた歌舞伎界も、客席や舞台上の様々な制限を徐々に緩和、劇場内も以前の姿を取り戻しつつある。4月、明治座の舞台に出演する6人が、この3年間を振り返り、舞台への変わらぬ思いを語った。

明治座「寿祝桜四月大歌舞伎」は4月8~25日(17日休演)。

 コロナ禍で迫られた変化として、中村梅玉が真っ先に挙げたのは、楽屋を訪ねてのあいさつを控えなければならなかったことだ。「当たり前だったことが出来なかったのは、なんとなくねえ……。一座で結束してお芝居をするという雰囲気が、なかなか作れなかったのが残念でした」

 片岡愛之助も「舞台で『おはようございます』というのは、やりづらいですね」と振り返る。

 若い世代への影響を、心配するのは、中村又五郎。「僕が若い頃は、先輩の楽屋に、あいさつにうかがうと、ご注意を頂いたり、芝居の話が出たり、という時代でした。自分の子どもたちを見ると、今、大切なことが行われていないというのが、正直な気持ちです」

 松本幸四郎は「コロナ前に『…

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