「電力カルテル、不思議ではない」 東電出身の新電力社長が内情語る

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聞き手・宮川純一
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 カルテル疑惑に不正閲覧――。大手電力会社が新電力会社との公正な競争をゆがめていた問題が次々に発覚しています。東京電力出身で、新電力「SBパワー」社長の中野明彦さんは、双方の経験をもとに改善策を語ります。

 ――大手電力7社の社員らが、新電力の顧客情報を不正に見ていた問題をどうとらえていますか。関西電力は、顧客の引き抜きに使っていました。

 「そこまでなさっていたんだなと思い、残念です。営業活動に使っていなかったという会社も、コピーを持ち出しているかもしれないし、小売会社に異動した後に使いたくなる人がいるかもしれない。閲覧した時点で、営業活動に使われる可能性があります」

 ――営業活動ではなく、お客さんからの問い合わせの対応に使っていたと主張しています。

 「問い合わせの対応も安心感につながり、サービス品質です。新電力の人がアクセスできない情報を使って大手だけがタイムリーに答えられるというのは、平等ではありません。『やっぱり大手が安心』とお客さんが思う状況は困ります」

短期的には罰則、中長期では大手電力の分離の議論を

 ――東電での経験も踏まえて、どんな対策をすればよいと思いますか。

 「半年、1年といった短期的には、速やかに対策をとってほしいです。不正に閲覧をした社員に罰則をかけられるようにする必要があります。中長期的には、送配電会社を大手電力から分離する方法について議論することが考えられます」

 ――2016年に電力小売りが全面自由化され、20年には大手電力の送配電部門を別会社にすることになりましたが、グループの子会社とすることは認められました。

 「送配電会社を子会社として…

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