高知の3投手、勝利の継投 ピンチで最少失点「攻撃につなげた」
(24日、第95回記念選抜高校野球大会2回戦 高知3―2大阪・履正社)
1点リードで迎えた九回2死。履正社(大阪)の4番打者を三飛に仕留めると、マウンドに立っていた高知の辻井翔大(しょうだい)投手(2年)は両腕を天高く突き上げ、右手でガッツポーズして見せた。
1―1の同点で迎えた五回、走者を背負った場面で3番手として登板した。心の準備はできていた。直球で内角を強気に攻め、内野ゴロと左飛で後続を抑えた。七回まで被安打0。相手に流れを渡さなかった。
八回は連打を浴びて無死一、三塁とピンチを背負ったが、仲間から「いい球いっている、負けていないぞ」と励まされた。気持ちが楽になり、1失点で切り抜けた。大量点を許さなかったこともあり、その裏の攻撃で味方が逆転。勝利を呼び込んだ。
「ピンチをしっかり抑えられたことが、次の攻撃の流れにつながった」と辻井投手は振り返った。
18日の北陸(福井)との1回戦では先発した。八回途中まで被安打6、1失点と安定した投球を見せた。そして迎えたこの日、「一度試合を経験していたので、緊張せずに投げられた」という。
夏の甲子園を制覇したことのある履正社を2点に抑えた高知の投手陣は、辻井投手以外も安定していた。
先発の西村真人(まなと)投手(3年)は2回を被安打1と好投。2番手の平悠真投手(2年)は1失点でしのぎ、辻井投手につないだ。西村投手は「後ろに平や辻井がいるので、一回から全力で投げられた」。歯車がかみ合った投手陣に、履正社の多田晃監督は「相手の投手は、みんないい選手だった」と語った。
辻井投手は「目標はベスト8。一戦一戦しっかり戦っていきたい」と、早くも次に向けて意気込んだ。(松永和彦)
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