ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、英国がウクライナへの提供を明らかにした劣化ウラン弾は、戦車などの装甲板を貫通させる徹甲弾などに使われる。過去の戦闘で用いられた際、健康被害との関連を疑われてきた兵器だが、実は日本でも使われたことがあった。
ウランを濃縮する時の副産物である劣化ウランは、硬くて重いため、弾芯に使うことで破壊力が高まる。核分裂しやすいウラン235の濃度は低いが、わずかながら放射能を帯びている。自衛隊は安全などを考慮し、希少金属のタングステンを使っている。
米軍は1991年の湾岸戦争などで劣化ウラン弾を使った。当時、健康被害を訴えた米軍兵士がいたが、米大統領の諮問機関、湾岸戦争復員軍人疾病諮問委員会は1997年1月、「復員軍人の病気の原因が、劣化ウランにさらされたためだとは考えにくい」という最終報告書を提出した。
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