マウス全然足りてない、論文の捏造発覚の教授 調査委への説明に矛盾

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瀬川茂子 吉備彩日
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 岡山大教授による研究不正について、調査委員会による報告書が公表された。読むと、すぐに矛盾が明らかになるような、独自の主張を繰り返していたことがわかった。

 不正をしたとされる人物は、国立循環器病研究センター国循大阪府吹田市)の元室長で、現在は岡山大の教授。問題となったのは、がんの新しい治療法開発につながるとする内容の論文だ。画像の使い回しや、あり得ない数のマウス実験など、100カ所以上のデータの捏造(ねつぞう)が見つかった。

 捏造論文の実験はほとんど、元室長が国循の室長時代になされた。国循が公表した調査報告書によると、論文の実験は、一部を除き、元室長が一人で実施したという。

 調査委が実験記録の提出を求めると、元室長は、データを保存していたハードディスクが、2018年の大阪北部地震で、机から落下して故障、復旧できなかったと主張。さらに、データは別のパソコンに保存していると思いこんでいたので、ハードディスクは破棄したが、別のパソコンには保存されていなかったとした。

 だが、他の研究者によると、ハードディスクは机の上ではなく、床に近い高さの低い棚に設置していたという。

 元室長は、紙の資料について…

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