飲食・物販なしで8億円削減 それでも「道の駅」にこだわった理由
茨城県龍ケ崎市は24日、計画が中断している牛久沼のほとりの「道の駅」について、飲食や物販施設のない道の駅として整備を進める方針を明らかにした。全体の事業費の概算は17億5700万円で、当初計画通り整備した場合より8億400万円減るとした。
市議会全員協議会で「今後の方向性」として表明。「単なる広場ではなく、道の駅として事業化する」と説明した。市民への説明や関係機関との協議を経て、従来の計画を変更し、2025年度に工事を再開。28年度のオープンを目指すとしている。
市によると、約2・8ヘクタールの敷地に、駐車場(小型車158台、大型車35台)とトイレ、道路や観光情報の発信施設、授乳室などの子育て支援施設、サイクリング用の駐輪場、広場、遊歩道、水上スポーツのための桟橋を設ける。
このうち、駐車場、トイレ、情報発信施設と、道の駅に入るための国道交差点は国が整備する。これと、補助金などを除いた市の実質負担は12億7600万円となり、うち8億1480万円は償還期間20年の起債で賄うという。
市は昨年10月、道の駅事業の再検証結果として、当初計画通り整備すると25億円以上かかると公表。整備を進めるかどうか、アンケートなどで市民の意見を聴いた。アンケートでは、整備は「必要ない」と答えた人が50・8%に達した。
道の駅としての整備にこだわった理由として、萩原勇市長は報道陣の取材に、国が駐車場や交差点整備をし、道の駅として登録されるなどの利点を挙げ、「牛久沼のにぎわい、交流人口をどう増やすかの視点で考えた」と述べた。(福田祥史)
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