おかえり薬師如来像 丹波・常勝寺、修理終わる
青木康行
【兵庫】丹波市山南町にある常勝寺の秘仏で、国重要文化財の薬師如来坐(ざ)像(木造、鎌倉時代初期)が修理を終えて寺に戻った。
宮崎実康(じっこう)住職が4年前の正月に、保守管理のため薬師堂の厨子(ずし)を開けたところ、仏像の親指が欠けていることに気づいた。文化庁への届け出を経て、昨年4月から京都市にある公益財団法人美術院の国宝修理所で直していた。大正時代以来の修理で、左肩にあった亀裂もふさがれ、仏像本体や光背、台座の汚れも落とした。
16日、台座、光背が運び込まれ、薬師堂の厨子に戻された。続いて薬師如来に巻いてあったさらしを丁寧にほどくと、きれいになった姿が現れた。宮崎住職は「これを機に、檀家(だんか)さんと相談して近く公開できるよう前向きに検討したい」と話している。(青木康行)
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