ドローン攻撃受けた米軍、親イラン組織を報復空爆 内戦下のシリア
カイロ=武石英史郎
シリア北東部のハサカで23日、米軍施設が無人機(ドローン)による攻撃を受け、米軍の請負業者の1人が死亡、米兵ら6人が負傷した。米国防総省が声明で発表した。
声明によると、無人機は自爆型でイラン製。米軍は、イラン革命防衛隊から支援を受ける武装組織が活動するシリア東部の複数の軍事施設を報復空爆した。NGOシリア人権監視団は24日、この攻撃により、戦闘員ら少なくとも11人が死亡したと明らかにした。
内戦下のシリアでは、アサド政権がイランやロシアの支援を受けて支配を固める一方、北西部をトルコやサウジアラビアなどが支援する反体制派が支配。ハサカなど北東部を、少数民族クルド人を中心とする武装組織が米軍の支援を受けて実効支配している。
ただ、断交関係にあったサウジとイランが今月10日、中国の仲介で外交関係の正常化で合意。サウジとアサド政権の外交交渉も報じられるなど、米政権の頭越しに対立国の間で和解の動きが表面化している。(カイロ=武石英史郎)
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