試合前に必勝のマグロ丼 沖縄尚学・石川の習慣、母の一言きっかけに
板倉大地
湯気を立てるどんぶりいっぱいの白米。その上にのりと、刻んだマグロを山盛りに載せれば「マグロ丼」の完成だ。
試合がある日の朝、沖縄尚学の石川純平さん(3年)の家の食卓に必ず登場する、母の特製メニュー。純平さんは「必勝」の思いをこめながら、山の頂点にしょうゆを垂らしてかき込む。
小学生のときからずっと続けているルーティンのきっかけは、母・千秋さん(53)の一言だった。続けること6年、ついに甲子園の土を踏んだ。
第95回記念選抜高校野球大会に、9年ぶりに出場した沖縄尚学は25日、クラーク国際(北海道)との南北対決を3―1で制して3回戦に進出した。
秋の沖縄大会では5試合で計47得点、九州大会4試合で計26得点と強力打線を武器に、全国の舞台へと駒を進めた。
チームの躍進に、純平さんは「マグロ丼のおかげかもしれない」と笑う。
決勝戦の夜 母の一言がきっかけに
マグロ丼は、6歳上の兄・亮介さん(23)の好物でもある。純平さんが初めて口にしたのは、小学6年のとき。しばしば、マグロ丼をおいしそうにひとりでほおばる兄の姿がうらやましくなり、「俺も」と千秋さんにねだった。
その日は、野球の地区大会の…