桜の開花は若い木、老木どっちが早い? 標本木の「代替わり」影響は
島脇健史
暖かい日が続き、サクラの季節がやってきた。開花の基準となっている標本木が老木化し、若い木に「代替わり」させるところが最近目立つ。標本木の開花が早まって開花予想も前倒しされる? 逆に花見に出かけても十分咲いていない――。こんなことが起きてしまうのか。
気象庁によると、サクラの標本木は全国の気象台に58本ある。気象庁の生物季節観測指針によると、標本木は気象台の構内から選ぶのが原則だが、観測に適した木がない場合、近くの公園などにある木から選ぶこともできるという。
標本木の変更にも定めがある。複数の木を候補に選んで3年以上、開花時期を比較観測する。開花日がその時の標本木に一番近いものを次の標本木にするという。
2020年以降の3年間で旭川、釧路、盛岡、甲府、神戸、広島、長崎など九つの標本木が代替わりした。古くなった、花が咲かなくなった――などが主な理由だ。
神戸地方気象台は今春、21…