プロ野球のシーズンが今年も始まる。
その開幕を、ワクワクとドキドキの入り交じった気持ちで、心待ちにしてきた新社会人がいる。
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大河原すみれ、22歳。
幼い頃から野球はごく身近な存在だった。
父は高校野球の指導者。
物心がつく前から、母に連れられて球場に足を運んでいた。父が監督を務めるチームをスタンドから応援するのが、毎年夏の家族の恒例行事だった。
休日に早起きしてホットケーキを焼いてくれる優しい父は、グラウンドに立つとかっこよかった。試合に敗れて涙する選手やマネジャーの姿に、幼いながらも心を揺さぶられた。
「大きくなっても、こんなに熱くなって泣けることがあるってすごいなぁ」
野球に携わってみたいと思った。だが、そうはいかなかった。
通っていたのは小中高一貫の女子校で野球部がなかったからだ。
中学、高校と年を重ねるにつれて、諦めきれない気持ちは膨らんでいった。
大学受験の勉強の合間、志望…