捕虜の即決処刑や拷問 国連がロシア、ウクライナ双方に戦争犯罪指摘
パリ=宋光祐
国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)は24日、昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻の開始以来、両軍が拘束した戦争捕虜を即決処刑した事例が、少なくとも40件あったとする報告書を公表した。両国に捕虜の適切な取り扱いと戦争犯罪にあたる行為の処罰を求めている。
OHCHRは、国連の人権監視団による50カ所の現地調査や432人の戦争捕虜、その親族らへの聞き取りから得た情報をもとに報告書をまとめた。ウクライナ側からは拘束したロシア人捕虜に対する「完全で機密の保持された接触」が得られたとする一方、ロシア側からはほとんど協力が得られなかったという。
報告書によると、OHCHRは目撃者の証言やSNSに拡散した動画から、ロシア側による捕虜15人の即決処刑を確認した。ウクライナ東部ドネツク州マリウポリでは昨年4月、ウクライナ軍将校がラジオ局に入るパスワードの提供を拒否し、処刑された。同州の激戦地バフムート南郊では昨年9月、ロシアの民間軍事会社、ワグネルの戦闘員が負傷したウクライナ兵を拘束し、射殺したという。
ロシア側から解放されたウク…