中米のホンジュラスが25日夜(日本時間26日午前)台湾との断交を発表した。中国外務省は26日にホンジュラスとの国交樹立を明らかにした。台湾で中国と距離を置く蔡英文(ツァイインウェン)政権が誕生した2016年以降、断交は9カ国目となり、外交関係を保つのは13カ国に減った。
ホンジュラス政府は発表で「台湾は中国領土の譲ることのできない部分を形成している」としつつ、「中華人民共和国政府が、中国全土を代表する唯一の正統な政府であることを認める」と記した。
中国外務省も報道官談話を発表。ホンジュラスが「一つの中国」原則を承認し、中国と外交関係を結んだとし、「大勢に沿った正しい選択だ」として「高度な称賛」を表明した。
ホンジュラスは歴史的に親米国家で、台湾とは80年以上、外交関係を維持していたが、昨年1月に就任した中国を重要視する左派のカストロ大統領は、中国との国交樹立を唱えていた。中国は国交を樹立する相手国に対し、「一つの中国」の考えに基づく台湾との断交を求めている。
台湾は今年1月、副総統を務める与党・民進党の頼清徳(ライチントー)主席(党首)を派遣して引き留めを試みたが、実らなかった。来年1月の総統選で、頼氏による民進党政権の継続をめざす蔡総統には痛手となる。
中国「台湾と断交しなければ支援しない」
蔡政権の成立時には22カ国…