第4回防災無線で流れた紅白出場「次は大きく」 被災で故郷離れた横田龍儀
岡本進
俳優の横田龍儀(りゅうぎ)(28)は3月下旬から、大阪と東京の劇場の舞台に立っている。人気漫画「炎炎ノ消防隊」が原作のアクション劇で、演じているのは主役のライバル役の隊員だ。
東日本大震災が起きたとき、福島県川内村で暮らす高校1年生だった。
学校は入試日で、在校生は休みだったため、自宅にいた。緊急地震速報のアラームが鳴った後、「ゴーン」と地鳴りが聞こえたと思ったら地面が崩れるような衝撃を受けた。部屋にあったタンスとテレビが一瞬で倒れた。揺れが収まって外に出ると、近所からは泣き声や叫び声が聞こえた。
その後、自宅から約20キロ離れた東京電力福島第一原発で3回の水素爆発が起き、父が言った。「避難するぞ」。地震から3日目だった。
向かった先は神奈川県。看護専門学校への進学が決まっていた姉が借りたアパートがあった。着替えも持たずに逃げ、近くの大型店で下着を買いそろえた。駐車場に戻ると、福島県のナンバーの父の車の周りだけがぽっかりと空いていた。
コンテスト最終審査で披露した、村の伝統芸能「三匹獅子」
「タウンワーク」で見つけた…